swampの忘備録

エンジニアが、情報系のイベント行ったときとかプログラミングなどの情報工学について忘備録として書くつもりです。

5年間の高専生活を振り返ってみる

この記事は高専 Advent Calendar 2020 22日目の記事として書いています。

adventar.org

今更ですが、2020年3月、5年間通った高専を卒業しました。
高専生活は、非常に充実していて楽しい5年間でした。

そんな私の高専生活を振り返っていきたいと思います。
僕の経験を通して、あの時こうしておけば良かったなという思いも書いています。
少しでも後輩の皆さんの参考になれば幸いです。

ここから先の文章は自分への忘備録という側面が強く、とくにまとまりもないので、非常に長い文章となっていますが、ご容赦ください。

1.高専の推薦入試、推薦入試合格
 2015年1月、ずっと行きたかった高専の推薦入試のチャンスを頂きました。
 本番の日は、中学校が設定していた集合時間を完全に忘れてしまい先生方にご心配をおかけしたこと、適性面接が思ったより簡単で驚いたことなどが昨日のように思い出せます。
 そして、忘れもしない1月某日、担任の先生に合格を告げられたときはとても嬉しかったのを覚えています。
 
2.1年生
 2015年4月、中学校を無事卒業し、高専生活をスタートさせました。
 私の高専では、1年生の頃は全学科混合のクラスで一般科目の授業を受けていました。
 正直、1年生の頃のことはほとんど覚えていません。でもそれなりには過ごしていたと思います。

 情報技術に漠然とした興味はありましたが、部活や日々の勉強に精一杯で特にあまり活動はしていませんでした。
 授業でやるプログラミングが楽しくて、僕に合っているなと思ったぐらいです。
 強いて言えば、9月にITパスポートをとってみたぐらいだと思います。

 あと猫を飼い始めました。猫はかわいい、癒し(写真は成長した3匹)
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3.2年生
 少しずつ情報分野の活動も始めるようになりました。
 まず、この年の春に基本情報技術者試験を受験し、合格しました。

 また、島根県が主催しているRuby合宿に参加しました。
 ここで初めてRubyやGitの使い方、チーム開発などに取り組むことができました。
 3月には、Ruby合宿で知った「スモウルビープログラミング甲子園」に出場しました。
 スモウルビープログラミング甲子園は、簡単に言えばブロックプログラムでゲームAIを作成し、対戦しあうというものです。
 予選はギリギリ通過でしたが、3位になることができ、とても驚きました。
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 その他の活動としては、BPOの青少年モニターをやったことぐらいでしょうか。
 月に1回、TVやラジオ番組を見たり聞いたりして感想を書き提出することで図書カードがもらえるというものです。 
 1年間の集大成として東京で行われた会議では、日本テレビを訪問し、某番組のディレクターと意見交換をする機会がありました。
 バラエティ制作における熱意を非常に感じることができました。その後に某芸人さんにお会いできて興奮してのも覚えています。 
 
4.3年生
 少しずつ様々な活動をスタートさせたのが3年生です。僕の人生の中でも大きな年になりました。
 3年生の1年間はSecHack365の1期生として1年間活動を行いました。
 SecHackとの出会いやその活動はかけがえのないものになり、今につながっています。

 大きなイベントとしては、情報オリンピック夏季セミナーセキュリティキャンプ九州in博多2018、CTF for Buginers長崎に参加したことだと思います。
 あと、担任の先生に誘われて高専機構が主催するセキュリティの勉強会みたいなのにも行きました。

 また、学校では学生会の活動に関わり始めました。
 私はメイン部署というところに属し、高専祭のメイン企画を担当していました。
 メイン企画とは高専の学園祭である高専祭に来てくださった皆さんに、3学科の力を結集して楽しんでもらう企画です。
 簡単に言えば、遊園地のアトラクション的なものを作っていました。
 3年生の時は、Wiiリモコンを使った大掛かりなシューティングゲームを作りました。
 WiiリモコンとUnityの連携ができずに悩みまくった日々でした。(後にライブラリで簡単にできることが分かりますが)先輩と一緒に夜遅くまで開発するのは非常に楽しかったです。
 ゲームだけでなく皆で作業してアトラクションを作り上げていきました。
 最終的には多くの人に楽しんでもらえてうれしかったのを覚えています。
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 イベント関連としては高専カンファレンスin西京の運営をやりました。
 事務部門の責任者をさせていただきました。準備は普通に大変でした。
 イベント自体は楽しかったですが、運営はもうやりたくないなと思いました。

 あとは自動車学校に行き始めました。

5.4年生
 インターン、就活、地域の方々とのつながりを作るなどなど様々な活動を進めていきました。
 順番に振り返ってみましょう。
 5月にはCoderDojo光にメンターとして初めて参加させていただきました。
 CoderDojoは子供向けのプログラミング道場です。
 チャンピオンの方に勉強会でお会いし、ご縁があって参加しました。
 私たちが教えるでもなく子供たちが主体的にプログラミングに取り組む姿には非常に感銘を受けました。
 それから卒業するまで色々な形で関わらせていただき、様々な出会いがありました。
 本当にCoderDojoに関わらせていただいてよかったなと非常に感謝しています。 
coderdojo-hikari.com

 3年生の時と引き続き高専祭のメイン部署にも関わらせていただきました。
 4年生の時は部署長として企画の責任者として運営を行っていきました。
 クイズとかARとかVRとかレーザートラップとか色んなアトラクションを用意しました。
 事務的な作業や指示に追われて、3年生の時のようにあまりクリエイティブなことができなかったのは心残りですが、楽しかったです。
 色々なことがあってストレスフルな毎日でしたが、皆で企画を作り上げていくのは非常に達成感のあるものでした。
 18人ぐらいのグループのリーダーとして活動しましたが、不器用で色々とリーダーとしての指示を間違えた場面が多かったかなと思います。
 自分がリーダーとしてはっきり指示できない部分も多くメンバーには多大な迷惑をかけたと思います。
 あとは無意味な事務仕事とかミーティングほど意味のないものはなかったなと反省したりもしています。
 企画的には成功できたのかなと思いますが、当日の運営も含めて反省点が非常に多かったなと思います。
 本当にチームメンバーの方々には僕なんかに付いてきてくれて非常に感謝しています。
 僕にリーダーは向いてないのかなと思ったりもしました。
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 インターンにも何社か行きました。
 学校に来た企業は賃金も出ないし、「就業」というより「体験」インターンが多かったので自分で探したいなと思いました。
 逆求人に行くなど活動しましたが、まだまだ実力不足で何度面接を受けても落ちるというのを繰り返していました。
 インターンがやっと決まった時は非常に嬉しかったのを覚えています。
 結局実際のプロダクトに関わるというより体験型のインターンに行ってしまったのは少し後悔している点です。
 また、もし面接受けた企業と日程が被るからという理由で受けなかった企業も多くありました。
 なりふり構わず色々な企業を受けておくべきだったなと思っています。
 そして、興味がないから申し込みしなかったというのももったいなかったなと思います。
 インターンなので少しぐらい興味が持てれば応募したら良かったなと思っています。
 今は興味がなくても新たな視点を得ることができたのになと思います。あと実力不足だなと改めて実感しました。

 そんな反省を活かして就職活動は10月からスタートしました。
 そして、少しでも興味がある企業は積極的に面接を受けてみるということを心がけました。
 就活していく中で様々な企業について知れて自分のやりたいことが見えてくるので、1社だけを見るのではなく複数の会社を見るということは大切なことだと思います。
 書面やHPだけでなく、実際に様々な企業の方にお話を聞いて納得のいく就活がしたかったので、学校推薦ではなく自由応募で挑戦することを決めました。
 10月のサポーターズの1on1を皮切りに就活をスタートさせました。
 そして高専祭が終わると同時に平均して1週間に1回は面接か面談が4月ぐらいまで生活が始まりました。
 やはり実力不足で最初の方は落ちまくります。
 お祈りメールを見ると、人格否定をされた気分になりますが、めげずに面接を受け続けました。
 入社した会社に出会ったのは1月に参加したジースタイラスの逆求人です。
 今までは何となくこの会社に入社してみたいなという気持ちで選考を受けていましたが、
 自分の考えややりたいことに合致する企業に出会い、逆求人でお話した後は明確に入社したいと思い興奮したのを覚えています。
 それが私の入社を決めた企業です。
 20社ぐらいの選考を受け、4社に内定をいただきました。
 4社どこにも魅力があり、非常に非常に悩みましたが、考えに考えて入社する会社を決めました。
 私の恒久的な「ITを利用して社会をよりよく便利にする」目標をより大きな範囲で実現できるかなと思ったのが理由かなと思います。

 また、Web×プログラミング勉強会クリエイティブハントなど地域で開催されている勉強会にも積極的に参加しました。
 今まで知らなかった多くの方に出会うことができ、たくさんのつながりを得ることができました。
 
 また、コワーキングスペースカラムとの出会いも様々な面でよい影響を与えてくださいました。
 ちょくちょく勉強しに行ったり勉強会に行ったりすると、色々な方を紹介してくださったりとつながりも増えました。
 5年生のときは、お仕事を紹介してくださったり、勉強会の会場を提供してくださったりと非常に親切にしていただきました。
 卒業直前まで様々お世話になりました。本当にありがとうございます。

 その他に参加したイベントは、OSC広島(CoderDojoがらみで登壇)高専カンファレンスに2回、DojoCon、石巻ハッカソン石巻ハッカソンin周南などです。

 あと大きな出来事としては免許を取得しました。また家庭教師をバイトとして始めました。
 
6.5年生
 5年間の集大成、そして学生最後の年として様々な活動を行ってきました。
 卒業研究では、「秘密分散法を利用したアンケート集計システムに関する研究」という題目で研究を行いました。
 情報処理学会の学会誌で秘密計算について知り素晴らしい技術だと思い研究を進めました。
 しかし、学内に秘密計算ができる先生はおらず、サポートはしていただきましたが、右も左も分からないまま1人で研究をしたので、
 右往左往してしまい良い研究ができたかどうかは微妙なところですが、不完全なところは多くありますが無事に終えることができたので良かったです。
 学科でも最終的な順位が6位だったので一定の評価はしていただいていたのかなと思っています。
 
 セキュリティキャンプにも参加しました。
 バラエティトラックに参加し、様々な講義を受講させていただきました。
 貴重な講義を受講させていただき、非常に勉強になりました。また、多くの人に出会えたので良かったです。
 詳しくもブログを是非読んでください。

swamptk.hatenablog.com

 セキュリティキャンプのほかにも、レッドハッカソンHIROSIMA、セキュリティミニキャンプ名古屋、クリエイティブハント、CODEBLUE(学生スタッフ)、LINE DEVELOPER DAY、DojoCon、高専カンファレンス(登壇)など色々なイベントや勉強会に参加させていただきました。

swamptk.hatenablog.com

swamptk.hatenablog.com

 5年生のときには、地元で勉強会の立ち上げ、主催も行いました。
 地元では、IT系のコミュニティが非常に少なく、エンジニアはいても交流の場がないといった課題があります。(現在進行形で)
 少しでも多くの地元の人にITに興味を持ってもらったり、エンジニアの交流の場を作りたい、
 そして自高専のくすぶっている学生の方に外に出て来てもらいたいという思いから
 やまぐちITパーティーやChallenge!スマホアプリ開発勉強会(全5回)の主催を行いました。
 様々な方にご協力いただき、僕自身も新たな発見や出会いがあったのでやってよかったなと思っています。
 
 そして大きな出来事としては、先生に誘われて中国大連に短期留学に行ったことです。
 中国に行く前は、中国に対してよい印象は持っていませんでした。少し不安な中でスタートした生活ですが、多くのカルチャーショックを受けましたが、最終的には非常に楽しく行ってよかったと思いました。
 大連や旅順の観光、中国語学習、中国文化の体験など充実した日々を送りました。
 初めて海外に行き、異文化を学び、自分の価値観を大きく変える機会になりました。
 海外や中国に対する漠然とした不安が大きかったですが、実際に行ってみて意外と何とかなるものだと思いました。もっと早く留学プログラムなどに参加しておけばよかったと少し後悔しました。
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7.部活動
 僕は、散々迷った末、卓球部に入部しました。
 本当はプロコンなどに出る部活に入ろうと思っていましたが、見学に行ったとき展示されているのがゲームやCGばかりで僕が想像していたものと何か違うなと思い入部するのをやめました。
 運動部に入ると決めても、やったことのないアーチェリーや剣道に挑戦しようかとも思いましたが、中学校から続けている卓球を続けることにしました。
 
 1年生のうちからプロコンなど、プログラミング関連に多く挑戦しておけばよかったなと思ったことも何度もあるのは事実です。
 1年生のうちから実力をつけていきたいと思う人は、プログラミング関連をする部活に入るべきだと思います。
 学生時代ぐらい運動を続けたいという人には運動部に入ることも一つの手段だと思います。

 実際に運動部の練習は忙しいですが、並行して様々な活動をしていくことは十分にできます。
 (私は卓球の実力がなく僕がいなくてもチームが回っていたというのも事実ですが)

 県体にも出たことがない弱小校からいきなり強豪校へ入部したので、ついていけるかどうか不安しかありませんでした。
 しかし、そんな僕にも分け隔てなく接してくださる優しく尊敬できる先輩方ばかりで、楽しく部活動を続けることができました。
 素晴らしい先輩方に出会えたので、本当に卓球部に入ってよかったなと今でも思っています。
 また、5年間で、カットマンという新しい道にも進むことができました。
 振り返ってみるとあまり卓球は試合でチームに貢献できるほど上達することはできませんでしたが、中学校の頃よりはましになったかなと思います。

 卓球の能力はあまりありませんでしたが、先輩や同級生、後輩たちのおかげで、様々な場所に試合などで行くことができ、主にマネージャー的なことしかできませんでしたが、よい経験となりました。
 僕という人間を受け入れてくれて、本当に卓球部には感謝しています。

 また、部活動を通して人間関係というのは難しいなと強く思った5年間でした。(嫌な思いをすることもたくさんありました。)
 正直に言えば高専生活で嫌だったことの半分以上は部活関連だったような気もします。

 ここまで5年続けてきたという話をしましたが、途中でやめていった人も何人もみてきました。
 当初、同級生の部員は9人いたはずですが、色々あっていつの間にか卒業時には4人になっていました。
 学生という時間は有限です。やりたいことがあったら自分の気持ちを優先することも大事なのかなと色々な人を見て思いました。
 嫌なことや嫌いなことをやっていても時間が無駄になるだけだと思います。

8.五年間心がけてほしいこと

 ここからは5年間全体で心がけてほしいことを書いていきます。

 1年生の頃は、ホームルーム開始の40分前ぐらいには教室にいて、課題などをしていた真面目な学生でした。
 しかし、それは2年生の後半から10分前、5分前、1分前、0分前、1分後、2分後、5分後というように段々崩れていくのであった...
 授業で遅刻をつけられたのは、5年生のときの1度しかありませんでしたが、常にギリギリな行動をしていたのは5年間の反省点です。
 3年生の頃には、とうとう「もう少し早く来ましょう」と担任の先生に言われる始末でした。
 もっと余裕を持って最低でもHRの10分前ぐらいには教室につく生活を心がけるべきだと思います。

 振り返ってみれば課題などもギリギリに提出することが多かったなと思います。
 いつも締め切り日の夜中にヤバいやばいと言いながらやることが多かったと思います。
 計画的に物事を進める能力を身に着け、早め早めに課題をこなすことが大切だと思います。

 また、自ら主体的に色々なことに挑戦していってほしいなと思います。
 9割の高専生が、自分の高専の中だけで閉じこもっているような気がします。(僕の感覚ですが)
 プロコンでもデザコンでもロボコンでもいいし、何でもいいので色々なことに挑戦していってほしいなと思います。

 その一歩として、勇気をもって、積極的に様々なイベントに参加して、多くの人とつながりを作っていくことが大事だと思います。(今、コロナ禍で中々厳しいですが...)
 イベントや勉強会では、自分の知らない技術や知識を身に着けることができるだけでなく、色々な方とのつながりを持つことができます。
 多くの人とつながりを持つことは後々財産になると思います。
 私もイベントや勉強会で出会った方から、貴重な機会やお仕事を頂いたりすることができたりすることもありました。

 都会のイベントなどでも学生には交通費を出すみたいなイベントもあるので行きたいイベントはTwiterなどでアンテナを張っておくといいと思います。

 また、懇親会にも積極的に参加して、色々な人に話してほしいなと思います。(今、コロナ禍で中々厳しいですが...)
 私も緊張して中々できないのですが、話しかけたり、人の輪に入るのはとても緊張するが案外誰も気にしないので積極的に話していくとよいと思います。
 (イベントや勉強会は懇親会が本番まであるので...)
 あと、名刺を作って色々な人に配り覚えてもらいましょう。

 また、僕はあまり出場できませんでしたが、ハッカソンとかコンテストに参加するのも良い経験となると思います。

9.まとめ
振り返ってみるとなんだかんだ楽しく好きなことができた5年間でした。
本当に恵まれた環境だったなと思います。

5年間ただ過ごしているだけではもったいないので、校内、校外問わず有意義な高専生活にするためにも色々なことに挑戦してほしいなと思います。

やり直せたら、もっと早いうちから色々なIT技術の勉強をして作品をたくさん作り、コンテストに出たり、色々なところに行ったりしたかったなという反省点はいくらでも出てきますが、やはり僕には高専という環境は好き勝手色々なことができたのでとても良かったように思います。

あくまで僕が過ごした5年間を書いてみたので人それぞれだとは思うし、僕なんかはまだまだ凄い人に比べれば技術的にも活動的にも劣っていますが、もし、この記事が何か皆さんの参考になれば幸いです。